4話
"ねぇ、良郎。そろそろYシャツ夏物にしたら?"
"そうだね、最近、袖をまくることも多くなったし。変えようかな"
季節の変化、気持ちよい春風が吹く季節は過ぎ去り、日差しが暑く厳しい季節が訪れる。
それは衣替えの季節の訪れ、人間の着る洋服は季節と共に様変わりする。
そして、今まで共に歩んで来た彼に しばしの休息が近づいていた。
「ネクタイさん、しばらく一緒に働けなくなっちゃいますね」
「あぁ」
「ちょっと寂しいです」
「なに、涼しくなったら、また一緒に良郎のために働こう。 それまでは俺に任せてくれ、お前の分も頑張るから」
「ネクタイさん……。
ありがとうございます、また秋に会いましょう」
2人で一人前だったYシャツとネクタイ、 その関係も今日でひとまず終わる。
"このYシャツにも世話になったな。おかげ様で会社にも少しずつ慣れて来たよ、また寒くなったら世話になるから"
良郎は少し名残惜しそうに、Yシャツをクローゼットの奥へと しまった。
Yシャツがしまわれた場所、それは今までいた所よりも
更に暗く、光の届かない世界。
「これからしばらくは暇だな、でもこの間にネクタイさんに負けないくらい僕も努力しないと。今まで学んで来たことをしっかりと自分の物にするぞ」
Yシャツは1人暗闇の中に残された。
"良郎、これ買ったんだけど使ってよ、ついでに夏らしく爽やかな方がいいでしょ"
"そうか、Yシャツだけでなくネクタイも変えると気分も変わるね。いよいよ暑くなるんだね"
ガラガラ
「あれネクタイさんどうしたんですか」
「いや、なんだかさ俺も一緒に休むことになっちまった」
暗いクローゼットの中で2人はちょっと休憩、季節が変わるまで一休み。
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