1話
「トシ、準備はできたの?」
「あ〜もうちょっと。えーと、これを入れて」
「だから前日のうちに用意を済ませておきなさいって言ってたでしょ」
「もうわかったよ、おかあさん。 そうだ、この前かったすいとうをちゃんと使ってよ」
「わかっているわよ。それよりさっさと準備をしてしまいなさい。 遅刻するわよ」
「もう、わかってるってば」
朝のドタバタ祭りも今日は一段と増して騒がしいですな、
やっぱり今日は特別な日だからですよね。なんと言っても
トシぼっちゃんが前から楽しみにしていた遠足の日ですからね。
「お弁当も作ったし、これで準備は全部そろったかな。 よろしくね、すいとうさん」
おう、あっしに任せておきな奥さん。
ぼっちゃんのノドの渇きなら心配いりませんよ、このすいとうみっち様がちゃんと付き添って行きますからね。
ぼっちゃんにとっても一大イベントの遠足だが、オレにとっては 勝負の日。
外は晴れて天気もいい、デビューする最高の天気だぜ。
ところで今日の遠足はどこに行くんですかね? いやー、オレにも心の準備ってものがあるもので……。
「トシ、無理はしちゃ駄目よ。初めての山登りなんだから」
「わかってるって、もうそれは昨日もさんざん話したでしょ」
おぉ、山登りですか。いいですね、自分も好きですよ。
なんと言っても空気がうまいし、山頂で見る景色は最高らしいですからね。あぁーうずうずして来た。
ぼっちゃん、無事に山頂に着いた暁には『やっほー』って気持ちよく
叫びましょうね。
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