2話
でもさー、使われていないのが現状なのよ。
しかも文具入れには先輩がいたのよ……。
消しゴムの先輩がね。
そいつがまた先輩風をふかせやがんのよ。
「おれはみつるに何時も使われているんだぜ」
なんて自慢げに言いやがんの。
「お前なんて日々自分をすり減らして、
日に日に小さくなってるだけじゃねーか」
って言ってやりたかったね。
でもそれが俺らの使命で名誉だから
言えなかったんだけどね……。
でっここからが本題なわけ、
みつるが何で俺を買ったかってことよ。普通考えるだろ?
買われたのに使われないんだからさ。
結果を先に言ってしまうとさ、俺にも出番があったってわけ。
でもその役目がなんとも言えんのよ。
毎日のように転がってんのよ。ビックリするだろ?
俺が初めて転がりだしたのは、みつるが俺を買ってから
3日くらいした頃だったかな。
文具入れから突然オレをを取り出したから嬉しかったわけよ。
「やっと出番が回って来たよ」ってさ。
恥ずかしいことに、満面の笑みなんか見せちゃってさ。
出番が終わったら、あの先輩に
なんて言ってやろうかと考えたね。
でもさ、次のみつるの行動には驚いたよ。
いきなり俺を床に投げたのよ。
いや、それだけならそんなに驚かないけどさ、
俺たち消しゴムは床に転がることはよくあることだから。
別に珍しいことじゃないわけ。
俺の産まれた工場のおっちゃんにも何度も、何度もさ、
それはもう耳にタコが出来るほど言われていたことなのよ。
でも故意で転がすパターンは聞いてなかったのよ。
俺は驚いて早くも捨てられたかと思ったね。
悲しいだろ?
だってよ、みつるの奴さわざと俺を落としたのに
拾う素振りを見せないのよ。
もう決まったようなもんだろ?
捨てられたってさ……。
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