3話
ちょっと工場の話もしていいかな?
俺が産まれた工場はすんごいゴム臭いところでさ、
手袋したおっちゃんやおばちゃんが沢山いたね。
あっもちろん手袋もゴム製ね。
俺が産まれて最初の記憶はさ、
いっぱい粉をかけられたことだね。
気がついたらおばちゃんにパタパタされていたのよ。
結構化粧の濃いおばちゃんでさ、
まぶたなんか濃い紫一色でキツイのよ。
でっそんなんが目の前に突然現れたんだから、
俺ね、産まれてすぐに失禁しそうになったよ。
しかも産まれてから最初に見たのがそのおばちゃんだったから、
「これが母親なのかな?」って思ったし、
それはもう精神的にきたね。
母親の件は後におっちゃんが違うって教えてくれたんだけどさ。
それでパタパタされて粉を身にまとった俺達は
講習を受けるんだよ。
どの角度でこすれば文字が消えやすいだとか。
小さくなると、ちぎられたりするから気をつけてくださいだとか。
いろいろ教えてもらうのよ。
あっ、ちなみにここでおばちゃんが
母親じゃないことも教えてもらったんだけどね。
工場で一番きつかったのが身体造りね。
消しゴムって軟らかすぎても硬すぎてもいけないらしてさ、
毎日基礎トレーニングあるのよ。
走るだけだと下半身ばっか硬くなってしまうから
泳いで全身を使ったりさ。
部分的に補うために腹筋や背筋なんかもやったね。
このトレーニングでいい身体を作らないと
出荷してもらえないんだよ。
おれって結構努力もしているんだぜ。
4話へ
|