1話
本当に酷いですわ。一体わたくしが何をしたとおっしゃるの?
いきなりスネを蹴るだなんて、貴方の気を悪くさせることをしてしまったのかしら?
自身、申し上げるのもなんですが、わたくし、それなりに役に 立っていると思っているんですの、違くて?
こんな夜中になんですの?
いきなり肩をぶつけて来たのは貴方の方なのに、 そんな怖い目でにらまないでくださる?
獣が草食動物を今まさに狩ろうとするような、ギンギンした目で睨まないでくださる?
…………少し、怖いじゃないですか。
本当に、本当に、少しだけですからね。
ちょっとそこの君、やめなさい!!
今すぐです、今すぐにその上げた右足を下げなさい。
これは命令です。いますぐ………。
シャー……。
ううぅ、なま温かい。
ごめんなさい、わたくしが悪かったです。その足を下げてくださいませんか?
お願いします。マーキングは止して下さい。
私の足もとは、最近引っ越して来た足立さんの愛犬ポチのせいでアンモニア臭がするようになりました。
ちなみに、ちょっと変色もしている次第です。
一日に2、3回も右足上げて『おそそ』をするものだから
すっかり染み付いてしまいましたの。
こんな臭くなってしまって、きっとお嫁にいけないわ。
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