ふりーものづくり所 かえると万年筆


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ポチとごめ子 第4話

4話
皆さん、どうもこんにちは。
アンモニア臭と生臭さで、とてつもなく臭い電柱ごめ子です。
最近では私に近寄る人がめっきり減りました。
ゴミを捨てに来る人でさえ数メートル先からゴミを投げるんですから、
もう笑うしかないですわ。
皆様、わたくしから発せられるスパイシーな臭いを少しでも嗅ぎたくない様ですの。
酔っ払いのおじさまでさえ、近づきませんのよ。
今となっては、わたくしに近づくのはゴミ収集者の方々とポチだけになってしまいました。ゴミ収集にくる方々も少しも気を使ってくれないの。
近づく際は必ずでっかいマスクをかけて鼻と口をガードしていますし、これでもわたくし女ですから傷つきますのよ。
この前なんて帰り際に「あーこのゴミ置き場は、とびっきりの臭さだな」と捨て台詞を言うんですもの、あまりにも酷いですわ。
この臭いの元凶はポチですって、きっとあの犬はまともな物を食べてないんです。臭い飯を食べているんです。もしくは肉ばっかりの片寄った食生活なんです。
本来のわたくしは、ジャスミンの香りがするとまでは言いませんが、
コンクリートの臭いしかしないですし、そもそもコンクリートなんてほぼ無臭ですから。
声を張って言ってやりたいです。

あぁ、孤独って辛いものね。
存在感のない物に憧れを抱いた時期もありましたけど今では寂しさだけしかありません。
実は最近、あんなに嫌だったポチが訪れるのを少し楽しみにしている自分がいるのに気がついてしまったんです。
最初は信じられなくて、否定もしましたけど、唯一彼だけが態度の
変わってない存在なのかなって。
散歩の途中、ひょろっと近づいて来ては必ず片足を上げて、おそそをするポチ……。
おじさまの愚痴を聴いたりするのも悪くはなかったのかもしれませんね。そんなちょっとした日常に幸せってあるのかもしれません。


あっポチが来ました。
いいですよ、思いっきりマーキングしてください。
そして後ろ足で、砂を掛ける仕草で、私を、この汚れたわたくしを、少しでもいいので癒してください。

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