3話
ねえ、とうちゃん………。
ぼくは……、ぼくはね、
これからどうやって生きて行こう。
人間みたいに歩けるわけでもないし、
すずめさんみたいに空を飛べるわけでもない。
出来ることは本当に限られているけど、
その中で、どんな日々を過ごせばいいのかな?
今朝もいつもと同じようにすずめさんが来てくれて、
『とっとっと』とマッサージをしてくれた。
すずめさんのマッサージ、そして太陽の光をいっぱい浴びて、
ゆっくり過ごす時間は好きだな。
重たい布団を掛けられた時は少し大変だけど、
真っ白なYシャツが太陽に照らされて乾いて行く様を見るのが好きだな。
なんてことない日々だけど、
ずっとこんな生活をしていけたらそれはきっと幸せなことなんだと思う。
それともまた別に見つかるのかな?
とうちゃんが息子さんの成長を『生きがい』にしていたように、
ぼくにもそんな事がみつかる時がくるのかな?
今まで雨はあんまり好きではなかった。
雨が降ってしまうとぼくの出番はなくなってしまう。
でも雨が降った次の日には、奥さんが必ず泥をキレイにふき取ってくれるんだ。
体を拭いてもらうのはとても心地いい。
大事にされ、必要とされることはとても嬉しいな。
前はなんとも思ってなかったことでもね、
とうちゃんがいなくなってからは心を動かされる。
ああ太陽さんがもうあんな所にいる。
夕日に染まった空をみるのはいつ見てもいいものだな。
明日はどんな天気だろう。
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