1話
「うぇーん。イタイ、いたいよー」
"泣かないで、ちこちゃん"
いつも楽しく遊んでいた公園。ちこは石につまずいて転んでしまった。
走ることに夢中になって『すってん』と転んでしまった。
「うぁーん、痛いよー。ママー」
平気だよ、ちこちゃん私が守ってあげるから。さあ、その涙を拭いて。
「ちこ平気? あぁ血がでちゃたね。じゃあ、ばんそうこう貼ろうね」
ちこの不安、かなしみを包み込むあたたかい声。ちこの母親は怪我
してしまった『ちこのひざ小僧』にばんそうこうを貼った。
ちこちゃん平気だよ。血なんて私が止めてあげる。
痛いの、痛いのとんでゆけー。
バイ菌だって恐くないよ、私が守ってあげる。
ほら立ち上がってごらん、痛くないよ。
またかけっこしようよ、おにごっこしようよ。
おもいっきり遊ぼうよ。
暗くなるまで、まだ時間があるよ。ねぇあそぼう。
「ちこちゃん平気?」
ほら、ちこちゃんが泣いてるから友達も心配してるよ。
次はちこちゃんが鬼の番だったでしょ?
みんなを見つけて、驚かしちゃおうよ。
ほらっ私がぴったり付いているから。怪我なんてへっちゃらだよ。
「ちこ、平気? 今日は帰る?」
心配した母親がちこ手を取る。
「ううん、ちこ鬼やる。みんな隠れて」
そうだよ、その勢いだよ。
「みんな、にげろー」
泣き止んだちこを見て、子ども達が散らばっていく。
元気に走って、姿を隠す。
も〜い〜かい? ま〜だだよ。
もういーかい? もういいよ。
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